2010年12月22日

☆貧困と未婚☆


ご訪問ありがとうございます。
ちょっとしたニュースですが、拝借してみなさんと共有したいなと思いアップさせて頂きました。

私的には、貧困と未婚の合致点は分かり兼ねますが、
未婚の問題はとっても気になります。

以下はもっと学術的な関係性を上げてらっしゃいます。
一度ゆるり~とお読みください。



湯浅誠が語る、広がる貧困と結婚できない人の関係
(Business Media 誠 - 12月22日 09:53)




未婚率が上昇している(出典:総務省統計局)
 結婚しない若者が増えている――。国勢調査の結果を見ると、未婚率は右肩上がりで伸びている。結婚しない理由として「いい人に出会えないから」「忙しいから」などを挙げる人も多いだろうが、貧困問題に取り組む湯浅誠氏は別の見方をしている。結婚しないのではなくて、“結婚できない”。その背景には貧困問題がからんでいる、と分析する。【土肥義則,Business Media 誠】



●男性・30代前半の未婚率は47.7%

湯浅:今の日本……家族のカタチはどうなっているのだろうか。ある調査によると、家族のカタチは過去に比べ「あまり変化していない」という結果が出ていた。例えば、家族で食卓を囲む回数や家族の会話の量などは、大きく変わっていない。むしろ変わってきているのは家族形成ができていない人が増えていること。結婚して子どもを持つ人と結婚できない人が、二極化していることだ。


 「結婚していない人は、ぜひ結婚した方がいいですよ」という人がいる。しかし「結婚できる人」がどんどん減っているのが現実なのだ。国勢調査によると、男性・30代前半の未婚率は47.7%。つまりほぼ半数が結婚していないということになる。これは2005年に行われた調査結果だが、国勢調査は5年ごとに行われる。過去にさかのぼって未婚率を見てみると、5年ごとに5ポイントほど増えていっている。


 5年前の未婚率が47.7%だったということは、2010年に行われた国勢調査では50%を超えている可能性が高いことになる。そうなると30代前半の男性では、結婚している人の方が少数派になってしまう。厚生労働省が「標準モデル世帯」を発表しているが、それによると日本の標準的な家族構成は33歳夫、29歳妻、4歳子ども――。しかしこの標準モデル世帯というのが、かなりの少数派になってくる。


 33歳で4歳の子どもがいるということは、男性は20代後半で結婚していないといけない。しかし国勢調査によると、男性・20代後半の未婚率は72.6%。結婚している人は3割にも達していないのだ。


●結婚しない人が増えている

 なぜ日本で、結婚しない人が増えてきているのだろうか。会社を見てみると、非正規雇用者がどんどん増えていて、その非正規雇用者の増加に引きずられるようにして正規雇用者の低賃金化が進んでいる。こうした現実があるのにもかかわらず、男性は「自分は男だから、一家全員を養わなければいけない。しかし給与が少ない。自分は“甲斐性なし”だから、結婚できない」と結論付けてしまう。


 一方の女性も「出産を機に会社を辞めなければいけない。それでも生活をしていかなければいけないので、夫には安定した収入がなければいけない」と思っている。


 もちろん、結婚していない人の全員が「経済的な理由で結婚できていない」というわけではない。さまざまな理由によって、結婚できない人がいる。しかし未婚率を雇用別で見てみると、正規雇用者よりも、非正規雇用者の方が高い。あるデータによると、正規雇用者に比べ、非正規雇用者は3分の1ほどしか結婚していない。


●強いられた同居

 安定した仕事がなかったり、仕事をしていても月収20万円以下といった低収入であれば、1人暮らしをすることも難しい。金銭的な理由で1人暮らしができないため、親と一緒に暮らす30~40代の人たちが増えている。もう「子ども」とはいえない大人と、その親が一緒に暮らさざるを得ない――そうした家族が増えていることも問題だろう。


 30~40代の人たちの家族といえば、どんな家族像をイメージするだろうか。夫または奥さんがいて、子どもが1~2人……と想像するかもしれないが、そうではない人がたくさんいる。もちろん親と一緒に暮らすメリットはあるが、その一方で“家を出たくても出られない”現実がある。極端な言い方をすれば「強いられた同居」といえるだろう。親と一緒に暮らしたいのではなくて、家を出られないから一緒に暮らしている。こうした30~40代が、今後も増えていくのではないだろうか。


 また「家族の中にしか自分の居場所がない」という人がいる。しかしそれは“縁”の乏しさを示しているのではないだろうか。いろんな縁があれば、家族に支えられなくなっても、その人が孤立することはない。もし家族の縁が切れてしまうと、その人は“無縁”になるかもしれない。そうして、今、社会問題にもなっている“無縁社会”(単身世帯が増えて、人と人との関係が希薄となりつつある社会)が広がっていくかもしれないのだ。

 無縁にならないためにも、家族だけではなく、さまざまな「縁がある」状態にしなければいけない。たくさんの縁があれば、家の中で煮詰まってしまっても、そこから逃げ出すことができるから。しかし今の日本は、家を出たくても出られない人たちがどんどん増えている。なぜこうした人たちが増えているかといえば、貧困問題と無縁社会の問題が根っこの部分で、つながっているからだ。


●貧困問題は“刺身のつま”

 日本の政治はここ15年ほど、同じことばかり繰り返してきた。国民の生活を豊かにするために、企業を成長させ、経済を発展させようとしてきた。ずっとこのことを訴え続けてきたわけだが、振り返ってみると、経済は成長しなかった……。むしろ貧困が広がってしまった。

 そして「(自民党政権では)何もいいことはない」といった国民の不満が高まり、2009年に政権交代が起きた。しかし今の民主党政権は、ちょっとした方向喪失に陥ったと見ている。例えば民主党が掲げた「マニュフェストにこだわるか、こだわらないか」という議論になるときがある。そこで財源問題に集中してしまうので、党の方向性や理念といったものが弱まってしまった。

 そして自民党政権のときと同じように「とにかく企業を成長しないと。投資を増やして、輸出を増やして、経済を発展させないと」といった話に逆戻りしつつある。


 「貧困問題をなんとかしなければいけない」といったことに対し、誰も反対しない。しかし「貧困問題を解決することは大切なんだけど、そのためには企業を成長させなければいけない」という人が多い。つまり貧困問題は“刺身のつま”のような状態になっているのだ。

 結局、この貧困問題は後回しになっている。順番が回ってくるのであればいいのだが、これまで回ってこなかった。そして今後も回ってこないのではないか、と懸念している。私は評論家ではないので「2011年はこういう世の中になるだろう」と予測できないし、しても意味がない。ただ貧困問題がさらに悪化しないように「自分たちは何をすればいいのか」ということを考えなければいけない。


●2010年の年越し派遣村

 年越し派遣村のことについては、まだ何も決まっていない。東京都知事は記者から聞かれもしないのに「今年はやらない」と3回も言った(笑)。しかし「何もやらない」というのは通らないと思っている。「じゃあ、あんた石原さんを説得してくれるのか?」といわれたら、「いや~」としか言いようがない(笑)。水面下でいろいろなことをやっているが、いまのところ結論は出ていない。

 私は貧困問題を解決するための活動を続けているが、どういった思いでやっているかといえば、1つは怒り。貧困がある社会で、生きていたくないから。もう1つは面白いから。もちろん面白おかしくはないが、活動を通じて楽しく感じることは多い。

※本記事は上智大学で行われたシンポジウム(12月14日)で、湯浅氏が語ったことをまとめたものです。



同じカテゴリー(プライベート)の記事画像
☆自分にプレゼント☆
☆大好きな場所☆
☆生まれたーっ☆
同じカテゴリー(プライベート)の記事
 ☆抱きしめてBIWAKOエントリー開始だよ♪☆ (2011-06-10 17:27)
 ☆自分にプレゼント☆ (2011-05-27 19:23)
 ☆4月9日in名古屋にて☆ (2011-03-31 09:03)
 ☆いのちの山河 上映情報☆ (2011-02-19 15:06)
 ☆雨降らないで・・・☆ (2010-07-14 22:37)
 ☆大好きな場所☆ (2010-07-04 17:07)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。