☆ゼッケン☆
「10月からユニフォーム衣替えです。」
先月言われて、やっと手にした針と糸。
我が家には、小学六年生の長男と、三年生の次男がいます。
二人共色んなスポーツを経て選んだのは「野球」。
土日に祝日、平日練習と彼らは楽しむ野球から、本気の野球生活に変わった。
頭は丸坊主にし、話し方も敬語に変わり、ほんとに成長した。
たくさんの指導者や関係者の方々に感謝の気持ちが絶えない程、親バカだけど彼らに夢が出来たことすべてに感激をしている。
何度も彼らも母である私も一緒に泣いた、笑った。
声を出し背中を震わし一緒に泣いたこと。飛び跳ねて喜び笑ったこと。
そんなことを振り返り針を進めた。
次男の野球だけは自主トレを欠かせない姿を思いながら、次の試合頑張って欲しい思い。
そして長男の最後のゼッケンの付け替え。
肩を故障しながら通うリハビリ、必ず打つと公言する強い気持ち、裏腹な弱い気持ちもすべてこのゼッケンが知っている。
走る針が震えた。
夏服のユニフォームはもう袖を通すことはない。
次のゼッケンは、もっと大きなユニフォームになる。
私は彼らのゼッケンが剥がれないように、ケガをしないように一針一針念じながら縫う。
秋のグランドで彼らの声とホームベースに帰ってくれる勇姿を祈って。
ゼッケンありがとう。